一般矯正で、歯を抜くことが本当にいいことなのでしょうか?歯には、1本1本役割があってすべての歯がその役割を果たすことが本当に大切なのではないでしょうか。一般矯正では、歯のならぶすき間がない場合、歯並びの中間の歯を抜いて矯正治療をします。私達は、あなたの大切な1本1本の歯を残すために、歯を抜かない矯正治療を行います。そのためにはMEAW・ミュー(マルチループ・エッジワイズ・アーチ・ワイヤー)という方法を使って治させていただきます。
MEAWとは、Multiloop Edgewise Arch Wireという英語の頭文字をとったものです。このMEAWの意味は、ループを使って自由に歯を動かすことができるワイヤーという意味です。また、この治療法に、オーストリア咬合学というかみ合わせの概念を組み合わせることによる矯正治療には、多くの利点があります。
利点・その1
1つめの“歯を抜かずに矯正治療を行なえる”ですが、そのまえに従来の矯正治療ではどのようにしているのでしょう。
従来の矯正治療では、歯が重なってガタガタになってしまっている場合、歯が並びきらないという理由から生えている歯の中間にある歯(前から4番目もしくは5番目の歯)を上下左右4本抜いてしまいます。これはただ単に “並ばない” という単純な理由からです。しかし人間にとって始めからいらない歯というのはありません。すべての歯にそれぞれの役割があります。ですから抜いて治療するよりも、人間の本来持っている正常な状態にしてあげることこそが、治療になります。
では、なぜMEAWを用いた矯正治療では、歯を抜かずに治せるのでしょうか。それは歯が並びきらないなら、単純にその下にある骨自体を矯正治療をしながら歯が入るように大きくしていく、また歯を後ろに動かしてすき間をつくってあげるということをしているからです。従来の矯正の方法では、このようなことはできませんでした。しかしMEAWを使って矯正すればできます。それは、ループを使うことで、歯を1本1本ゆっくりと動かしていくことができるため、無理な強い力がかかりません。だから歯を抜かないですむのです。
利点・その2
2つめの“従来の矯正治療に比べて治療期間が短い”のはなぜか。
従来の矯正治療は、大体2.5年から3年、長い人で5年もかかっています。MEAWを用いた場合、大体6ヶ月から1.5年、長い人でも2年程度で終わります。これは、その人の歯並びの状態によってかわってきます。
この治療期間の大きな違いは、ワイヤーの形の違いです。MEAWは、ワイヤーの形が歯を動きやすいように1本1本の歯の間にループが入っています。 そのためすべての歯を同時に自由に動かしていくことが可能なのです。これは、列に並んでいる人が、1人づつ前に動くのと、“せーのっ”で全員でいっぺんに動くのとの違いです。
最近では、平均15ヶ月位で終わります。
利点・その3
2つめの“従来の矯正治療に比べて治療期間が短い”のはなぜか。
3つめの“かみ合わせのバランスを整えることができる”というのは、治療前の診断・治療方法の違いです。 従来の矯正治療というのは、歯の模型・写真・レントゲンなどの検査をするだけです。私達はこれに加えて、アキシオグラフの検査を行うことで、顎の本当の位置を知ることができます。見た目はきれいになっていたとしても、かみ合わせがしっかり合っていないまま、矯正治療が終了してしまっては意味がありません。
また、従来の方法だと、歯を前後に動かしてガタガタをとるということだけしかできませんでしたが、私たちの行っているMEAWは前後だけでなく、上下にも動かすことができるため、全体のバランスを整えることができます。治療例を見ていただければ、顔のバランスが変わっているのがわかると思います。
このように、MEAWとオーストリア咬合学を合わせた矯正治療は、非常に多くの利点があります。今まで、多くの方の治療させていただいて大変喜んでいただいています。